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価格競争の果て

昨日友人がわが事務所に遊びに来ました。
色々とムダ話をしているうちに例のスキーバスの
事故の話になったんです。

詳しくは言えませんが友人はその関連の業界で働いて
います。
で、話を聞くとあのスキーバスの事故は価格競争の果てに
起こるべくして起こった事故なんだそうです。

数年前に規制が緩和され、簡単に観光バスの業界に参入
する事ができるようになりました。
その後、中小様々な会社が山のように出来たそうです。
僕も聞いてビックリしましたが長野県内にバス会社は
100社以上あるそうです。

当然、競争は激化します。
価格競争が始まります。他社より安くないと使ってもらえ
ないので必死です。普通に考えるとどうやって採算が取れる
のか分からない位、価格は下がっていきます。

安い価格でどうやって採算を取るか。
原価を落すしか方法はありません。
ニュースでも例の事故は運転手の交代要員が乗っていなかった
とか事故を起こした運転手が法律違反になるくらい長時間運転をしていた、とか言ってますよね。

つまり人件費を押さえるために法律ギリギリもしくは違反を
してまで少人数の社員をこき使ったわけです。
安全を犠牲にして金額を落としたんです。

事故を起こした会社だけが悪いわけではありません。
業界全体がそういう波に飲み込まれた結果、たまたまあの会社
で事故が起こってしまったのです。

で、恐ろしいのはこんな話はバス業界に限らないという事です。
建設業界だって耐震偽装事件は価格競争がひとつの原因です。

工事の場合、かかる原価は材料代と人件費です。
(他にも色々ありますが大きくはこの二つです。)
同じものを作るのに他方より値を下げるにはこの二つを下げる
しかない訳です。

もちろん、企業努力という事はあります。
仕入先との交渉で少しでも安く材料を仕入れる、
効率を上げるためのシステム、ムダな固定費の削減など
によって最終的な販売価格を落す、といった企業努力は
正当なものだし、必要なことでしょう。

でも、それ以上に価格を落としていくとなると
鉄筋やコンクリートなどの原材料費を削る
1週間かかる仕事を3日で終わらせるように短縮する
(つまりは手を抜くという事です。)
という事をするしか原価を下げられないのです。

現に長野県の公共工事の入札制度が変わり、とにかく
仕事を取りたい会社がとんでもなく安い工事価格で
落札していく傾向が顕著になるにつれて工事のトラブル
が頻繁に起こるようになったそうです。
さらに安い価格で落札した会社が結局資金難に陥り
倒産するケースがかなり増えました。
県では最低落札価格を見直す方向で検討しているそうです。


価格競争は確かに必要な事かもしれません。
業界で談合して高い価格を維持する事は僕らにとっても
楽しい話ではありません。(長野県のガソリン価格の高さ
は結構話題になりますもんね。)

でも、あまりに安さにばかり目を向けてしまうととんでも
ない落とし穴が待っているかもしれません。

モラルを無視してまで価格を落す会社のあり方が一番問題
なのは明白ですが、それにひっかからないように気をつけ
なければこっちが痛い目にあうかもしれないのです。

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